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俺の茶道「茶室の顔 床の間について学ぼう」を開催しました!

先日茶道部の楢木野翠耀先生による講座「俺の茶道」が行われました!
今回は日本人なら誰もが見たことのある「床の間」について学びました。

床の間とは和室にある掛け軸や活けた花などを飾る空間で、茶道においては
茶事や茶会の主催者である亭主のおもてなしの心が映し出される場所です。

床の間は、基本的に下記の部分で出来ています。

・床柱(とこばしら)

床の間における中心で、化粧柱ともいいます。
和室全体の印象も床柱で決まるので、材質や木目等にこだわったものが用いられます。
「翠庵」のように中央に床の間という構成では二本になる場合もあります。

・天袋(てんぶくろ)

床の間の脇の違い棚の上部に作りつけられる収納用の小戸棚のこと。

・地袋(じぶくろ)

違い棚の下部に作られた収納用の小戸棚のこと。

・筆返(ふでがえし)

文机、違い棚などの端につけて筆などがころげ落ちるのを防ぐ化粧縁。

この他にも「落とし掛け」という床の間のすぐ真上に配する横木は突然の
敵の侵入者に備えて武器として使えるよう取り外しを自由にしていたという
お話や、床脇の飾りは格の高いお道具(香炉や水指など)を上から配置する
というお話など、楽しい逸話も伺いました。

また今回は会員様にも「花入れ」と「香合(こうごう)」について
研究して頂き、皆様の前でご披露頂きました。

「花入れ」とは茶席に飾る茶花を入れる器です。
金属、磁器、陶器、竹や籠製などがあり、種類や素材で格がわかれます。
利休のおもてなしの心得として残されている「利休七則」にある
「花は野にあるように」のとおり、野に生えているような花の元来の姿、
自然な雰囲気を損なわないようにするのが良いとされます。

「香合」とはお茶室で香を焚くためのお香を入れる器のことをいいます。
暑い季節の風炉には主に塗り物や、木地、竹などを用いて伽羅(きゃら)や
白檀(びゃくだん)などの香木を使い、冬の炉では練香(ねりこう)と呼ばれる
粉末状の香りを塗り固めた少ししっとりしたものを使います。

写真のように椿の葉を下に敷くのは、香合本体に香りがついてしまわない
ようにとの心配りです。

最後に皆さまで、翠耀先生の点てて下さったお茶と、この度の
主菓子「大川屋」さんの「勝ち栗」を頂きました。

勝ち栗の名前には、戦国時代の戦場において、大将が右手に勝ち栗を
とり左手に扇子をあおぎながら「勝ち栗を~」と発声、諸軍勢一同が
武器を掲げて声をあわせた、という武勇伝に由来するという説もあります。

お忙しい中お茶会の為にお勉強してきて下さった方々、ありがとうございました。
お点前や所作から学ぶことももちろん沢山ありますが、やはり歴史を学ぶと
お茶に対する理解が深まり、お道具もより身近に感じられますね。


濃茶(こいちゃ)と薄茶(うすちゃ)について

HiSUiにも最近外国人観光客の方が多くいらっしゃいます。
日本刀を使う抜刀体験も人気ですが、やはり茶道も大変な人気です。

なかには「お抹茶が大好き!」という方もいらっしゃれば
初めての体験で口をつけては見たものの苦みが気になって
最後まで召し上がれない方もいらっしゃいます。
かくいう私も子供の頃は苦手で一人では飲みきれませんでした。

ところで茶道で振る舞われるお茶には種類が二つあることをご存知でしょうか?

よく見かける大人数でお茶会や通常のお稽古で振る舞われるお茶は
実は「薄茶(うすちゃ)」と呼ばれます。
表面が泡立ってきれいな薄緑色の、茶道と言われて思い浮かべる、
いわゆる、あの、お茶です。

それに対し、さらに濃く練ったものが「濃茶(こいちゃ)」です。

茶道の中でも少人数のお客様を招いて行う「茶事(ちゃじ)」では
この「濃茶」をおいしく味わって頂くことが主眼となります。

「茶事」という言葉には聞きおぼえのある方もいるかもしれません。
茶室に入ってからお暇するまで約四時間をかけて行なう茶道のフルコース「茶事」。
その間には懐石やお酒が振る舞われ、濃茶を頂き、お部屋を改めて最後に薄茶を楽しみます。

ひとことに「茶事」といっても様々な目的で会が催されます。
主に夏の早朝に行われる「朝茶」、冬の日没後の「夜咄(よばなし)」。
私が特にあこがれるのは「暁の茶事(あかつきのちゃじ)」です。
極寒の早朝に集まって夜明けを楽しむそうです。

お稽古を重ねてしばらくするまではお招きにあずかる機会も少ないものですが、
先生からお話を伺うとなんだか旅行に行くかのようなワクワク感があります。

ちなみに濃茶は、ただ作ると苦くて苦くて大変なのですが、
HiSUiで先日先生に作って頂いたらおいしい!と驚きの声があがりました。
おいしくするコツがあるんだそうです。

お湯と抹茶だけで作るシンプルなお茶だというのに、
作り手によって全く違う味に仕上がるのは薄茶も濃茶も同じですね^^

茶道


「真剣勝負」について

勉強でも、スポーツでも、仕事でも、真剣勝負ってありますよね。
ここでいう「真剣」は本来、日本刀の真剣を指します。

かつて侍が生きた時代、真剣を持つ者同士の勝負では必ずどちらかが命を落とします。
ですから、真剣勝負とは命を賭けた、絶対負けられない戦いなのです。

言葉では勿論理解できるのですが、実際に手に持って
感じてみるとその美しさ、恐ろしさに身が震えます。
日常生活でこれほど集中する瞬間はない、という程です。

他にも日常的に遣う日本刀由来の表現は沢山あります。
「抜き打ち」「折り紙付き」「切羽詰まる」などもそうなのです。

気になる方は是非調べてみてくださいね。
HiSUiで先生に聞いてみると、更に深く教えてもらえるかもしれません^^

HiSUi TOKYO 抜刀


茶道公開講座「三夕の歌」を開催しました!

10/9(日)に茶道部による公開講座が行われました!
今回のテーマは「三夕(さんせき)の歌」。

三夕とは、「秋の夕暮れ」を結びとした三首の名歌で、
新古今和歌集より監修されています。

和歌は、七世紀には完成されていた
短歌のことで、5、7、5の上の句、
7、7の下の句に分かれており
三十一文字のリズムで詠む日本独特の詩です。

見渡せば 花ももみじも なかりけり
浦の苫屋の 秋の夕暮れ
(藤原定家)

心なき 身にもあわれは 知られけり
鴫(しぎ)立つ沢の 秋の夕暮れ
(西行法師)

さびしさは その色としも なかりけり
まき立つ山の 秋の夕暮れ
(寂連法師)

翠房先生によるお手製の札と目録で
小倉百人一首から秋の歌を十首選出し
ご参加者様と作者になりきって
順番に詠んでいきました。

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大江千里、参議雅経などの歌人になり、
「月みれば ちぢにものこそかなしけれ・・・」
と、先人の歌を詠みあげれば、
お茶室ごと何百年も昔に
タイムトリップしたかのようです!

 

花入は、万葉の世界観を出す為
磁洲窯写しの花入れのみを床に飾りつけ、
お花はあえて入れませんでした。
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茶椀は佐渡の「無名異焼」。
水指は岡山の虫明焼「落雁図」黒井千左作。
蓋置には金沢の大樋焼「柴束」。
秋らしい色目で統一されています。

また本日は「中置き」という10月のお点前です。
外の様子もすっかり秋めいてきて、
暖が恋しくなる神無月。
より近くに温かみを感じて頂く為
水差しを柱付き側に仕組みます。
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先ほど歌人になられた皆さま方には、
持ち寄られたお好みの一椀で
それぞれに一服点てて頂きました。

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主菓子は、浜松の「梅月」さんより
何とも言えない色の重ねの姿が描かれた、
「夕焼け空」という名のお菓子を特別注文しました。
美濃焼の鮮やかな雲錦鉢によく映えます。

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干菓子はこの時期だけにしか味わえない
長野県小布施堂の銘菓「栗落雁」。

小布施堂といえば、9月15日過ぎから
10月中頃までしかお目見えしない
一日限定400食の栗の「朱雀」が有名ですね。

 

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
茶室に、源氏物語の世界が出現し
古の香りが漂った雅なお席となりました。

次回は、11月26日(土)、
テーマは「茶室の顔 床の間について学ぼう」。
床の間かざりを皆さんで考えます。

来月もぜひお出かけ下さいませ。


主菓子と干菓子について

茶道を始める楽しみのひとつに
【 和菓子 】がありますね。

正式には濃茶に主菓子を、
薄茶には干菓子をお出しするのですが、
おもてなしは心次第ということで
薄茶に主菓子、干菓子どちらも
ご用意する場合も多々あるそうです。

主菓子には練切や饅頭、羊羹など
ずっしりしたお菓子が使われます。

干菓子としては落雁や金平糖、
煎餅などのお菓子を用います。
(煎餅といってもバリバリ音のする
しょうゆ味の立派なものではなく、
小ぶりの薄焼きなものが好まれます)

今の時期は栗や紅葉、菊といった
花を象ったものが多くみられます。
近年は変わり種でハロウィンをテーマに
カボチャ型の生菓子もあるようです。

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お茶室のしつらえと共に季節を
楽しむのに欠かせない和菓子。

普段のおもてなしにも
取り入れてみると、季節感を感じられ
日常がパッと華やぐかもしれません^^


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