今まで3回にわたり目釘についてお話しました。
本日は4回目、指導者の質についてです。

刀を柄(つか:持つところ)に固定しているのは目釘1本(2本のものもあります)と以前お話しました。
これが緩んでいたり、折れてしまいますと刀が飛んでしまい、非常に危険です。
抜刀のレッスンで試斬して頂く前には必ず目釘点検をして、
ご本人に声を出して「目釘点検よし!」「目釘よし!」と皆にお知らせします。

ちなみに聞いた話ですが、
この目釘が料理に使う菜箸だったり、
耳を疑うような話ですが、割り箸が入っていたことがあるそうです。
割り箸は論外として、
目釘が竹でできているので、代用品として菜箸を細工して使ったようなのですが、
冬至の真竹を使う意味を知っていれば、恐ろしくて菜箸を使うという発想は出ないはずです。

これはその本人よりも指導者の問題です。
指導者がキチンと理(ことわり)を理解して、
なぜそうしているのか、そうしなければならないのかを分かっていることが重要で、
さらに皆さんに教えること、つまり継承していくことが大事なことではないでしょうか。
これが文化の伝承であり、我々日本人が日本人たらしめることになると思います。
翠峯も気を引き締めて日々精進します。

翠峯