10/9(日)に茶道部による公開講座が行われました!
今回のテーマは「三夕(さんせき)の歌」。

三夕とは、「秋の夕暮れ」を結びとした三首の名歌で、
新古今和歌集より監修されています。

和歌は、七世紀には完成されていた
短歌のことで、5、7、5の上の句、
7、7の下の句に分かれており
三十一文字のリズムで詠む日本独特の詩です。

見渡せば 花ももみじも なかりけり
浦の苫屋の 秋の夕暮れ
(藤原定家)

心なき 身にもあわれは 知られけり
鴫(しぎ)立つ沢の 秋の夕暮れ
(西行法師)

さびしさは その色としも なかりけり
まき立つ山の 秋の夕暮れ
(寂連法師)

翠房先生によるお手製の札と目録で
小倉百人一首から秋の歌を十首選出し
ご参加者様と作者になりきって
順番に詠んでいきました。

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大江千里、参議雅経などの歌人になり、
「月みれば ちぢにものこそかなしけれ・・・」
と、先人の歌を詠みあげれば、
お茶室ごと何百年も昔に
タイムトリップしたかのようです!

 

花入は、万葉の世界観を出す為
磁洲窯写しの花入れのみを床に飾りつけ、
お花はあえて入れませんでした。
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茶椀は佐渡の「無名異焼」。
水指は岡山の虫明焼「落雁図」黒井千左作。
蓋置には金沢の大樋焼「柴束」。
秋らしい色目で統一されています。

また本日は「中置き」という10月のお点前です。
外の様子もすっかり秋めいてきて、
暖が恋しくなる神無月。
より近くに温かみを感じて頂く為
水差しを柱付き側に仕組みます。
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先ほど歌人になられた皆さま方には、
持ち寄られたお好みの一椀で
それぞれに一服点てて頂きました。

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主菓子は、浜松の「梅月」さんより
何とも言えない色の重ねの姿が描かれた、
「夕焼け空」という名のお菓子を特別注文しました。
美濃焼の鮮やかな雲錦鉢によく映えます。

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干菓子はこの時期だけにしか味わえない
長野県小布施堂の銘菓「栗落雁」。

小布施堂といえば、9月15日過ぎから
10月中頃までしかお目見えしない
一日限定400食の栗の「朱雀」が有名ですね。

 

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
茶室に、源氏物語の世界が出現し
古の香りが漂った雅なお席となりました。

次回は、11月26日(土)、
テーマは「茶室の顔 床の間について学ぼう」。
床の間かざりを皆さんで考えます。

来月もぜひお出かけ下さいませ。