先月26日(日)に茶道部による公開講座が行われました!

今回のテーマは利休忌を前に、「利休を偲ぶお道具で濃茶を頂く」でした。

「濃茶(こいちゃ)」は本来、客に差し上げる正式な茶です。
茶道に入門すると、様々な所作や基礎の点前(てまえ)など、
ひと通りのことを身に付けたあとに濃茶の点前に入ります。

よく飲まれる抹茶を薄茶と言いますが、濃茶はその名のとおり、どろりとした濃い抹茶です。

濃茶では客の所作も異なります。
薄茶の場合は一人で一椀の茶をいただきますが、濃茶は数名で一椀の茶をいただきます。
それによって、より親しい信頼関係を築くことができ、「一座建立」につながるのです。
一座建立(いちざこんりゅう)とは、亭主と客が一体となって充実した茶会のことです。

濃茶を入れる茶器を「茶入(ちゃいれ)」といいます。
茶道具のなかでも最も位の高いものに分類されています。

茶入のルーツは、古く、桃山時代には“一国一城”と同等の価値がありました。
栄西禅師が宋より茶の実を小壺に入れて持ち帰ったのが、日本に初めて渡来した茶入です。

高価なものは丁重に扱われており、ひとつの茶入れに数個の蓋や、仕覆(しふく)という
茶入を保護する織物の袋が添えられ、さらに桐箱などで何重にも保護して保管します。

また、この度は、濃茶の点前披露にむけて、研鑽を積んだ会員様の発表の場でもありました。

濃茶の時代背景や茶道具の取り合わせなど、細やかなところまでお心配りをなさり、
問答なども茶道部の先生方のご指導のもと、とても見事に務め上げられました。

茶杓はなんと、ご自作のものをご用意くださっていました。
ご銘は「東風(こち)」、土佐水木(とさみずき)を用いたものだそうです。

濃厚な濃茶の後は、「続きお薄(うす)」を頂きました。

本日の主菓子は、ちもとの「菜の花きんとん」、
干菓子は、青山 菊屋の「利休 ふやき」。
絶妙な取り合わせです。

床には利休が生前愛した「菜の花」が飾られました。
利休と菜の花には深い結びつきがあり、切腹の床の間にも用いていたのではないかと
いわれるなど、様々なエピソードが語り継がれています。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

次回は、四月二十三日(日)テーマは「茶飯釜(ちゃはんがま)」、
釣り釜の季節に懐石料理のご飯を茶席で炊く、大変めずらしい茶事です。
ご飯の後は、同じお釜で薄茶を一服召し上がっていただきます。

次回もぜひお出かけ下さいませ!