はやいもので11月も後半ですね。
茶道では11月の「炉開き」を境に、茶室の中でお釜を置く位置が変わります。
寒い時期になるので、お客様の近くに「炉」を置いてお湯を沸かし、
少しでも温まっていただこうという心遣いなのです。
(炉についてはこちら)
さて、その炉開きに合わせて、11月によく頂くお菓子があります。
「亥の子餅」というのですが、ご存知でしょうか?
見た目は餡子入りのふつうのお饅頭に見えますが、
あんを包む皮に雑穀が入っているのが特徴です。
亥の子餅の起源は古く、紫式部の「源氏物語」にも登場します。
亥の月の亥の日(11月にあたります)に亥の子餅を頂くと
無病息災でいられる、といわれ、元々は大豆、小豆、胡麻、栗等の
雑穀を入れた餅をついたそうです。
また、陰陽五行説で「亥」が水性に当たることから、この日に
囲炉裏やこたつを開いて、火鉢を出し始める風習ができました。
「水」の日に火を使い始めることで、火災を逃れようとしたのです。
翡翠流では毎年「ちもと」さんの亥の子餅を頂いています。
白ごまが練りこまれているので香ばしく、格別のお味です。