公開講座、今回のテーマは
「宗旦好み茶飯釜でご飯をいただく」でした。
「茶飯釜」とは、今の釣り釜の季節に
特別の釜でご飯を炊き
その後、そのお釜でお茶を頂く茶事です。
席中では、一度洗って水切りした米を釜に流しいれ、
炊き上がるのを皆でゆったり歓談したり
時には和歌を詠んだりしながら
半時間ほど待ちます。
「かゆ茶釜 皆んなが気をもむ 火のかげん」とは、
書道の翠房先生が詠んで下さった歌です^^
ぐつぐつとお米が弾く音がしてくると、
少しずつ米の香りも立ってきます。
良き頃合いになると、釜を下し
いよいよ蓋をあけます。
お米は一文字に器に盛り
まずは炊き立てをお召し上がりいただきます。
一粒一粒、真珠のように輝き、
お米の元来の甘みが、際立ちます。
その後「春キャベツと豆腐」の汁が出され、
残りの飯は飯器にいれ、
ここで一献、お酒も頂きます。
強肴に「鰆の西京漬け」、香の物がだされ
最後に沢庵で器を綺麗にし、懐石は終わります。
内部を清めたお米の香りの残る釜で、
今度は、薄茶を一服頂きます。
本日の釜は佐藤浄清で、
「飯来飢」「渇来茶」と鋳込まれており
「お腹がすいたらご飯を食べにいらして下さい」
「喉が渇いたらお茶を飲みにいらして下さい」
という思いが込められております。
薄茶の点前の茶碗は、
筆洗(ふであらい・ひっせん)という
珍しい形の茶碗です。
墨や絵具のついた毛筆を洗うため、
筆をすすいだあと水を切ったり、
穂先を整えるために切り込みが入ったお道具です。
茶筅を入れてからの扱いが変わり、
この点前のアクセントとして楽しめます。
また、主菓子はちもとさんの「草団子」。
詫びた茶飯釜の茶事には、
素朴な甘味が非常に相応します。
ご参加下さいました皆様、ありがとうございました。
次回は、5月28日(日)。
テーマは「万緑の中で翡翠について想う・・」です。
中級会員さんが挑戦されるお茶会です^^
草木が茂って天地に満ち始める季節、
みどりいっぱいのお茶会となりそうです。
皆様のご参加をお待ちしております!
次回もぜひお出掛け下さいませ。