お稽古について その4

今回は切り口についてです。
刀でワラを斬ると「スパッ」と斬れる場合とそうでない場合と2つあります。
「スパッ」の場合は手に何も抵抗を感じません。
もっと言うと素振りしているのとあまり変わらないくらいの手応えです。

逆に斬れはしたものの刃筋(はすじ)が合っていないと、
手にかなりの衝撃と抵抗を感じます。

型と違い試斬は日本刀を上手く使えないと、
実際に目の前にあるワラが斬れません。
心に迷いがあったり、慢心があるとものの見事に切り口に
心の模様が現れます。

次回は実際に切り口をお見せしたいと思います。

翠峯


お稽古について その3

今回は試斬についてです。

HiSUi抜刀では初心者の方や女性の方のために細巻きを用意しています。

初段以上の方には畳一畳のワラ(ゴザ)を巻いて水に2~3日浸けたものを斬って頂きますが、
半畳にして通常より半分の太さにしています。

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これを試斬して頂くことで、まずは「斬る」感覚を体感して頂くと同時に、
角度を意識して頂きます。

次回は切り口についてお話しようと思います。

翠峯


目釘について その4

今まで3回にわたり目釘についてお話しました。
本日は4回目、指導者の質についてです。

刀を柄(つか:持つところ)に固定しているのは目釘1本(2本のものもあります)と以前お話しました。
これが緩んでいたり、折れてしまいますと刀が飛んでしまい、非常に危険です。
抜刀のレッスンで試斬して頂く前には必ず目釘点検をして、
ご本人に声を出して「目釘点検よし!」「目釘よし!」と皆にお知らせします。

ちなみに聞いた話ですが、
この目釘が料理に使う菜箸だったり、
耳を疑うような話ですが、割り箸が入っていたことがあるそうです。
割り箸は論外として、
目釘が竹でできているので、代用品として菜箸を細工して使ったようなのですが、
冬至の真竹を使う意味を知っていれば、恐ろしくて菜箸を使うという発想は出ないはずです。

これはその本人よりも指導者の問題です。
指導者がキチンと理(ことわり)を理解して、
なぜそうしているのか、そうしなければならないのかを分かっていることが重要で、
さらに皆さんに教えること、つまり継承していくことが大事なことではないでしょうか。
これが文化の伝承であり、我々日本人が日本人たらしめることになると思います。
翠峯も気を引き締めて日々精進します。

翠峯


抜刀のお稽古 その2

前回は素振りまでご紹介しました。
今回は型についてです。

素振り100回が終わりましたら、型のお稽古です。
初心者の方には初伝、経験者・段位をお持ちの方には中伝です。
それぞれ6本あります。
(もちろん座り技など他にもありますよ)

型は全ての基本であり、奥深いと思っています。
なぜならば、動きに理(ことわり)があるからです。
ところが、キチンと型をしようとすればするほど、上手くできない自分がいます。
ある部分がうまくできれば、実は他のところがよくないというのは
日常茶飯事です。。。

ともすれば型を軽視しがちです。
以前の翠峯もそうでした。
ところが、数年前から体術を始めたところ、型の重要性に気付かされました。

体を練る・刀や手足の位置を知ること、
もっと言えば、美しい形は正しい形であること。
これは抜刀だけではなく、他の武道や習い事にも共通するのではないでしょうか。

翠峯


抜刀の稽古内容

一昨日、抜刀入会ナンバー1の方がお稽古にお越しになられました。
1年以上他流派で居合をされていた方です。

抜刀のお稽古は礼から始まります。
(勿論その前に準備体操します)
「神前に礼」「刀礼(とうれい)」「お互いに礼」と3度礼をします。
続いて素振りです。それぞれ10本振ります。
上段・中段・下段の真向斬り、右袈裟・左袈裟、さらに右袈裟+斬り上げ、左袈裟+斬り上げ、最後に水平です。
ちゃんと力を込めて、真面目?に素振りをすると、この100本で汗がジワーと出てきます。

次は型のお稽古です。
ただし初心者の方がいらっしゃると、「抜刀(ばっとう:刀を抜くこと)」「納刀(のうとう:刀を鞘にいれること)」の稽古です。
模擬刀で抜刀・納刀の稽古をすることで、真剣を使う際にケガをしなくなります。

次回に続く。

翠峯


HISUI TOKYO

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