茶道

主菓子と干菓子について

茶道を始める楽しみのひとつに
【 和菓子 】がありますね。

正式には濃茶に主菓子を、
薄茶には干菓子をお出しするのですが、
おもてなしは心次第ということで
薄茶に主菓子、干菓子どちらも
ご用意する場合も多々あるそうです。

主菓子には練切や饅頭、羊羹など
ずっしりしたお菓子が使われます。

干菓子としては落雁や金平糖、
煎餅などのお菓子を用います。
(煎餅といってもバリバリ音のする
しょうゆ味の立派なものではなく、
小ぶりの薄焼きなものが好まれます)

今の時期は栗や紅葉、菊といった
花を象ったものが多くみられます。
近年は変わり種でハロウィンをテーマに
カボチャ型の生菓子もあるようです。

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お茶室のしつらえと共に季節を
楽しむのに欠かせない和菓子。

普段のおもてなしにも
取り入れてみると、季節感を感じられ
日常がパッと華やぐかもしれません^^


茶室で書道

昨日のブログ投稿が久々すぎたので、もう少し
真面目に更新していこうと反省した次第です・・・

先日、TVの撮影が茶室で行われました。

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茶室で書道という珍しい風景ですが、
案外イイ!(・∀・)b

TVの撮影と言っても、ほんの少し、一瞬の
出来事になると思われます。

詳細が決まり次第、お知らせいたします(ง `ω´)۶


茶道公開講座「賢治忌」を開催致しました!

9月の茶道公開講座のテーマは「賢治忌」でした。

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昭和8年9月21日に亡くなった宮沢賢治ですが、今年は生誕120年を記念して様々なイベントが行われています。
独特な世界観と思想を持ち、また生誕の地である花巻の農業にも真摯に取り組み、短い生涯を全力で駆け抜けていった宮沢賢治氏。

今回の茶道公開講座ではお道具を全て、大正13年(賢治28歳当時)発表の「春と修羅・序」になぞらえて準備し、お客様をお迎え致しました。

 

また、今回は9月のお点前「硯屏(けんびょう)」が披露されました。

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硯屏とは簡単に言えば風除けの役目をします。
茶筅を風に倒れないよう硯屏の陰に飾り付けます。
手の運びや水差しの蓋の扱いなど、普段のお点前と少し違っています。

棗(なつめ)や硯屏の並ぶ姿に、壮大な宇宙、「銀河」を感じます。

 

講座の最初は先生方のお手本から始まります。
正客役の先生は、亭主の心をくみ取りねぎらいの言葉を掛けます。

茶室は細部にわたり賢治の息吹を感じる装いになっています。

床には賢治が詠った二首。
「方十里 稗貫のみかも 稲熟れて み祭三日 そらはれわたる」
「病のゆゑにくもらん いのちなり みのりに棄てば うれしからまし」

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花入れは「交流電燈」という表現をイメージしたカガミクリスタルの器。
そこに、あけびの蔓だけを入れています。
春と修羅の一節、「あけびのつるはくもにからまり」になぞらえています。

香の入れ物は「心象スケッチ」という伊藤周作氏の作品です。
賢治は自身の作品を「詩集」と呼ばれることを好まず、心を自然に描いたものという意味で「心象スケッチ」と表現しとても大切にしていたようです。

硯屏には「ちがった地質学」という言葉をイメージして木が化石化したものを見立てました。
”どっどどどどうど どどうど どどう” と独特な風の描き方をした「風の又三郎」の一節も思い浮かばれます。

その他、お道具やお菓子の全てが賢治にまつわるエピソードを持っていました。

知れば知るほど奥行きが増す、宮沢賢治の世界。
子供のころに受けられた感銘と、現在のあなたのこころには、賢治の言葉はどう映るのでしょうか。

秋も深まりゆく季節に、今までに読み切れなかった歴史や日本小説、哲学本などに触れてみられるのも良いのではないでしょうか?

次回、10月9日(日)公開講座のテーマは「三夕の歌」。
来月もぜひお出かけ下さいませ。


公開講座「花寄(はなよせ)」を開催致しました!

8/7(日)に茶道部による公開講座が行われました!
今回のテーマは「花寄(はなよせ)」です。

お軸は飾らず、お床いっぱいに竹や籠の花入れ、
斬新なデザインの花器を据えて、
色とりどりのお花とともにお客様をお迎えしました。

講座前

花寄せは、まず全体を見極め、一人目の方が中央の花入れならば
次の方は右へ、左へとバランスよく入れていきます。

下の写真は、お正客の先生が中央の瓢(ひょう)の
花入れを前に花を組んでいるところです。
藤空木(ふじうつぎ)、桜蓼(さくらたで)、あさかほ
の三種を、凛と見事にお入れになりました。

翠静先生

次に、皆様。
いきなり本番です!

ほとんどの方がお花を入れるのも初めての体験で、
まずは探りさぐり。。。
皆様の緊張感が伝わります。

会員様

二巡目はすんなりと、お花を入れることを心から楽しんで下さっていました。

花寄せ

雰囲気

花寄せ2

また、本日は八月のお点前として前回の
水指の講義「釣瓶水指に冷茶」でも触れた
釣瓶に氷を浮かべ、一碗ずつ皆様で
交互にお点前をして頂きました。

棗(なつめ)には、「七夕蒔絵」。
この日は立秋、旧七月節で「仙台七夕」などは
この時期に開催されます!
蓋置(ふたおき)には「井戸のぞき」。
釣瓶には絶妙の取り合わせです。

干菓子は沖縄銘菓「黒糖」です。

器はシルバーの「南鐐皿」と呼ばれるものです。
南鐐(なんりょう)とは精錬した上質の
銀の意味なのだそうです。

冷たい抹茶には南の島のパンチのある菓子が良く合います。

主菓子は和菓子屋”ちもと”さんの「あさかほ」でした。
手付盆をあさがおのツルで飾って涼を楽しみます。

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ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
それぞれの個性の映える、素敵な景色にしてくださり、
茶室に、屏風絵の世界が、出現しました!

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次回は、九月十一日(日)テーマは「宮沢賢治によせて」

来月もぜひお出かけ下さいませ。


公開講座「小小家(さざえ)」を開催致しました!

7/10(日)に茶道部による公開講座が行われました!

今回のテーマは「小小家(さざえ)」です。
海を連想させる遊び心いっぱいのお道具でお客様をお迎えしました。

講座_1

お軸は「陶然方外楽」。心地よい世捨て人のような楽しみ、という意味で、お招きした
お客様にかしこまらず気楽に楽しんでいただきたいという思いが込められています。

講座_2

花入れは瓢に数珠珊瑚。
この瓢箪、すごい形をしています。。。

講座_3

ヒスイでの七月のお点前は真塗の長板に平水差(ひらみずさし)を置いておこないます。
平水差は、いっぱいに張られた水が揺らめき、涼を感じさせます。

講座_4

よく見るとこちらの平水差には蟹が描かれています。
日本画家 加山又造氏のご長男、加山哲也氏が作られたものだそうです。
下に置かれた”さざえ”は帛紗でつくられています。

講座_5

棗(なつめ)には波があしらわれ、茶杓は鯨髭で作られたものでした。

蓋置(ふたおき)には本物の”さざえ”を用いています!

蓋置には千利休が選んだといわれる”七種蓋置”というものがあり、
その中の一つに”さざえ”があるのです。

↓これがその七種(左上から穂屋香炉、五徳、三葉、一閑人、栄螺、三人形、蟹)

講座_6

主菓子は越中銘菓「とこなつ」。
大友家持の歌に因み作られたお菓子です。鮑の器でお召し上がり頂きました。

“立山に 降りおける雪を常夏に 見れども飽かず 神からならし”

干菓子には夏らしい高岡ラムネです。
和紙で折った菓子器で、貝尽くしです。

講座_9

夏本番を迎えた七月に嬉しい、涼を感じさせる演出の数々、
さざえを耳にあて波の音を聴いていただくという場面もあり
和やかで笑顔に満ちたひとときでした。

いつもより遊びを取り入れ、少しでも外の暑さを忘れて
楽しんでいただけたらという亭主のお心を感じるお席でございました。

ご参加いただきました皆様、お暑い中お越しいただき有難うございました。


HISUI TOKYO

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